DRAG

研究室短歌集

沼田研では短歌をよく詠みます。
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チャンピオン

ふと気づく 水道水のやわらかさ 春はシンクにやってきたのだ

最初はグー、線路は続くよ人生ゲーム 寝付きの悪いわたしの脳みそ

朝ぼらけ夜中の詩に耳澄ます まだ改札は通りたくない

絵画から 逃げた先にて 銅トントン 全てトントン 進められたら…

いつの世も 下らぬと言いし 勝ち負けに 熱狂するや 満開の下

手をつなぎせーので並んだ白い息 きらきらのままばらばらになる

はちがつの あいはらえきは なにもない あつあつあつい アスファルトだけ

あ、ときめき。あごのにきびをつぶしたら いちご畑へ駆け出したぁい

ごねんかん つかってきた このへやに なごりたくさん のこりたくさん

輪郭をはっきりさせて今日も君に 生きてもらうための味噌汁

イルカたちはなんでそらを飛ぶのかな 羽も翼もないはずなのに

トマト缶まるまる1個では余る 一人暮らしのスパイスカレー

ねぇなんで?あなたはいつも応えない 別のあの人に夢中だから

眩しいからまるごと全部食べちゃいたい さみしいきもちはいつだって透明

追いかけるあなたの背中追いつけない 追いつけない夏に見た夢

アイスティー こおりいっぱい とけないで いのってみても あっというまに

友達と 笑い声絶えぬ ひとときを どんな姿も 出迎えてくれる

猛暑の日 母を閉じ込め 慣れぬ家事 マスクしないと 決めていたのに

夏祭り テキ屋のジャングル通り抜け 腹膨れるが 財布空なり

人情は 人間だから あるのだと 誰が決めつけたんだと 悲しく思う

ハンドルを 握るたんびに 常思う 今日という日が 私の命日

波に似て 玉と砕けし この身なれ 過(あやま)つ道の 悔いはなかりき

虹色の飴をばら撒くイルカショー あなたには手に負えない世界

夕暮れに てごろないぬを 持ち運ぶ それをきぬたが見下ろしている

秋風や 体と心 整える 言ってしまおう 「君が好きだ」と

正しさも愚かさも今見せたげる プラネタリウムでおひるねしまする

寒空や 君が遺せし 言の葉の 身を貫くは 呪いにも似て

目の前に やりたいことが あるならば 全力でしがみつく 人生の始まり

クーラーの 冷えた部屋で愛犬を 抱いて眠るが 夏の至福よ